不要になったブランド品を売るのに、手軽なフリマアプリやオークションサイトを利用する方も多いでしょう。
しかし、出品したブランド品が「偽物だった」と購入者から連絡がきた場合、どうすればよいのでしょうか。
本記事では、ブランドの偽物を売ってしまったらどうなるのか、また売ってしまった後にどうすればいいのかについて解説しています。
同時に、偽物と判断するための方法や、偽物を手に入れないための注意点など、間違ってブランドの偽物を売ってしまわないための対策も紹介しますので参考にしてください。
偽物のブランド品を売ってしまったらどうなる?
気をつけていたつもりでも、万が一偽物のブランド品を売ってしまった場合に、どうなるのでしょうか?
こちらでは、偽物のブランド品を売ることとその後の可能性について、法律的な観点を交えながら見ていきます。
- 偽物の売買は違法になる
- 知らずに売ってしまったら?
- フリマアプリはアカウントが停止される可能性
偽物の売買は違法になる
偽物のブランド品を売ってしまうと違法になります。売った本人はそのつもりがなくても、万が一偽のブランド品を売った場合、どのような法律に違反するのでしょうか。
法律的には、偽物のブランド品売買に関わると「商標法違反」や「商標権侵害」とみなされます。商標権とはブランドのオーナーやライセンスを所有する会社が持つ権利のことで、偽物の販売はその登録商標を侵害することになります。
商標権の侵害をおこなうと、最悪の場合「10年以下の懲役」または「1,000万円以下の罰金」の罪に課せられる可能性もあり、十分な注意が必要です。
知らずに売ってしまったら?
商標権の侵害は懲役や罰金の罪にもなると説明しましたが、偽物のブランド品でも継続して何度も売っていなければ、違法に当たる可能性は低いとされています。
知らずに売ってしまったのが1度だけならば、罪に問われる心配もさほどないかもしれません。ただし「業としておこなわれていない」ことが条件になります。
業としておこなうというのは、偽物のブランド品売買をビジネスにしているケースです。偽物販売がビジネスではなく、繰り返しおこなっていなければ、違法に当たらないと判断される可能性もあるでしょう。
フリマアプリはアカウントが停止される可能性
ヤフオクやメルカリのようなフリマアプリでは、運営側も偽物のブランドが横行しないように、チェック体制がされています。
もし、ユーザーからの通報や運営側の調査などによって偽ブランド品が販売されていると発覚した場合は「一時利用停止」や「販売ページの強制削除」になる可能性もあります。
ただしこれは同じ出品者に対して複数のユーザーから通報が入った場合で、事実確認までに時間がかかり、実際は対応が遅れているのが現状です。
偽物を売ってしまったときの対処法
故意ではなく、知らずに偽物のブランド品を売ってしまった場合に、どう対処すればいいのでしょうか。
ここではブランド品を買取に出す前に知っておきたい、偽物を売った場合の販売者側の対応方法を、以下2つのケースからご説明します。
- フリマアプリなどの個人間取引
- 買取店・リサイクルショップ
フリマアプリなどの個人間取引
出品アイテムの落札者から偽物のブランド品だと連絡があり、自分でも本物だという確信がない場合は、速やかに返金に応じてください。
フリマアプリの出品規約によると、出品者(販売者)が本物だと確証の持てない品物は出品が禁止されています。
手軽に物を売買できるのがフリマアプリやネットオークションの魅力ですが、金銭が発生するからには、ご自分の出品アイテムに責任を持ちましょう。
万が一偽物を買わせてしまった場合は即座に返金に応じるなど、相手に誠意を見せることが大事です。
買取店・リサイクルショップ
買取店やリサイクルショップでは、持込んだ品物が「偽物」だと伝えられることはほとんどありませんが、買取を断られるケースがあります。
偽物ブランド品やコピー品のなかには精巧につくられているものも多く、素人目には本物との見極めが難しいのが現状です。
利用者が偽物であることを知らずにブランド品を買取店やリサイクルショップに持込んでも、罪に問われることはないでしょう。
偽物と判断された場合でも「規定により買取できない」と説明されるのみです。
ブランド品の真贋を判断する方法
上記のように、買取店・リサイクルショップでは偽物だった場合には買取を断られてしまうため、持込んだブランド品が偽物である可能性が高いと判断できます。
しかし、買取店の求める買取基準などの意味で、正規品だとしても買取を断られてしまう可能性もゼロではありません。
ブランド品が本物か偽物かの判断が下せるのは、商標権の所有者に限られています。ブランド品の真贋を判断するためにも、買取店数店舗へ査定に出してみることがオススメです。
偽物のブランド品を手に入れないための注意点
そもそも偽物のブランド品を手に入れないために、気をつけておくべきことはあるのでしょうか。
以下3つの注意点を参考に、誤って偽物のブランド品を手に入れないようにしてください。
- 正規店で購入する
- 販売者に問い合わせする
- ショップや個人の評価を見る
正規店で購入する
ブランド品を買取に出す場合、ブランドや買取店によっては、正規品であることを証明する「ギャランティカード」がないと買取不可、または大幅に減額になることがあります。
ギャランティカードは保証書のことですが、これは正規店で購入しないと発行してもらうことはできません。
商品の基本情報以外にも、購入時期や購入者・購入場所など、詳細な情報が記載されるギャランティカードは、信頼性のある証明書として有効です。
この書類を正規店で発行してもらえば、正真正銘の本物であることが証明できます。
販売者に問い合わせする
ヤフオクやメルカリなどのフリマアプリでは、ブランド品などの購入前に販売者に直接質問ができます。
本物なのかどうかを画像だけで判断するのが難しい場合は、ギャランティカードの有無など、偽物でないことを証明できるか確認してください。
万が一偽物だった場合の返金や返品についてなど、事前にしっかり確認をとっておくことが大切です。
販売者の回答が曖昧だったり、少しでも不安な点がある場合は、購入は控えておくのが無難でしょう。
ショップや個人の評価を見る
前述のフリマアプリや販売プラットフォームの多くでは、販売元のショップや出品者をユーザーが評価します。
気になる商品を売っているショップや個人の評価を見ておくと、信頼できる販売者かどうか判断できる材料となり、安心して購入できるでしょう。
悪い評価が続くと販売者は出品が難しくなるため、高い評価を得ている販売者が偽物を出している可能性は極めて低いと考えてよいかもしれません。
フリマアプリなどでブランド品を購入する際には、実績と評価の高い販売者を選ぶようにしてください。
偽物のブランドは売れない
偽物のブランド品を売ってしまったら、どうなるのか。またその場合にどうすればいいのかについて見てきましたが、いかがでしたか。
また偽物と判断する方法、そして偽物のブランド品を手に入れないための注意点についても紹介しましたが、参考になったでしょうか。
記事中でも触れた通り、偽物のブランドを売ることは商標権侵害という違法行為に当たり、買取店でも偽物のブランド品は買取を断られるケースが殆どです。
違法行為を繰り返しおこなっていなければ、罪に問われる可能性は低いかもしれません。万が一売ってしまった場合は、すみやかに返金に応じるなど、相手に誠意を見せましょう。