高品質でスタイリッシュな時計やジュエリーで人気のカルティエ。しかし人気ブランドの宿命か、カルティエ製品は偽物が数多く出回っているのも事実です。
しかも最近の偽物は粗悪な物ばかりではなく、なかには「スーパーコピー」と呼ばれる質の良い本物そっくりな偽物すら存在します。
この記事では、カルティエの偽物チェックポイントを、時計とジュエリーそれぞれに分けて解説します。
また、偽物を買わないためにはどうすればいいのか、確実に偽物のカルティエかどうか判断する方法もお伝えしていますので、参考にしてください。
カルティエの時計の偽物チェックポイント
まず始めに、手元のカルティエの時計が偽物ではないかと疑ったとき、以下の4つのポイントをチェックしてみましょう。
- ガラス部分の反射具合
- リューズのがたつき
- 保証書の有無
- ローマ数字モデルは文字盤もチェック
ガラス部分の反射具合
正規品のカルティエの時計は、文字盤のガラスに『サファイアクリスタルガラス』を使用しています。このガラスは無反射ガラスとして知られるもので、どちらの方向から見ても光にさえぎられることなく文字盤を確認できます。
しかし偽物のカルティエ時計は、ガラスのコーティングが十分におこなわれておらず、角度によっては光の反射で文字盤が読めないかもしれません。
また粗悪品になると、文字盤にプラスチックを使用しているケースもあります。この場合は表面を爪でたたくと、プラスチック特有の感触と音が確認できるでしょう。
リューズのがたつき
時計のリューズ(リュウズ、竜頭:腕時計の側面にあるネジ部分)に、がたつき・ぐらつきがあるなどの不具合も、偽物チェックの重要ポイントです。
正規のカルティエ時計のリューズには、金無垢モデルなど高級ラインの場合『ブルーサファイア』が使われています。またステンレスモデルには『ブルースピネル』など、いずれも宝石を使用しています。
偽物カルティエの場合は、リューズに青色のガラスを入れていることが多いので、ちょっとしたショックで傷やがたつきがでやすい部分になっています。
保証書の有無
時計に限らず、カルティエの全アイテムには保証書が発行されます。中古のカルティエ時計を購入する際にも、本物であることの証明となる保証書の有無を確認してください。
しかし保証書を失くしている場合もあり、保証書がないから偽物と決められないのも事実です。また悪質な場合は、保証書が偽造されているケースもあるので十分注意しましょう。
偽造された保証書かどうか判断する基準としては、
- 保証書のページ数が少ない
- カルティエ直営店リストが付いていない
などがあります。
ローマ数字モデルは文字盤もチェック
ローマ数字のモデルには『カルティエタンク』や『サントス』などが挙げられますが、これらのモデルは文字盤がチェックポイントになります。
正規品の上記モデルには、文字盤の「Ⅶ(7)」や「Ⅹ(10)」に「CARTIER」の隠し文字がデザインされているのを確認できるでしょう。
偽物カルティエにも隠し文字が入っているものはありますが、文字が小さいために潰れていたり、読みにくい場合があります。
またモデルによって隠し文字の場所は異なるため、どこに入っているのか公式サイトで事前に確認してください。隠し文字の場所が違ったら、偽物を疑ってもよいかもしれません。
カルティエのジュエリーの偽物チェックポイント
次に、手元のカルティエジュエリーが偽物ではないかと思ったときに確認したい、以下5つのチェックポイントについてお話します。
- 宝石のはめ込みの裏側
- 金属部のモチーフの処理
- ダイヤモンドの質
- 内側の刻印
- 開閉部分の内側の状態
宝石のはめ込みの裏側
カルティエのジュエリーのなかでもダイヤモンドをはめこんだ『ラブリング』や『ラブブレス』などのモデルは、ダイヤの裏側にある六角形の穴を確認してください。
すべての正規品にあてはまることですが、カルティエはどのアイテムも細部まで丁寧に作りこまれているため、基準外品の偽物との差がつきやすい部分です。
この六角形の内側の面が、穴に対してフラットになっているどうかで本物と判断することができます。基準外の偽物の場合は、穴の周りに少々のくぼみが見られるでしょう。
金属部のモチーフの処理
同じくカルティエのラブブレスやラブリングは、ビスの部分など金属部のモチーフ処理が行き届いているかどうかもチェックポイントに挙げられます。
正規品であれば、ビスのフチ部分が滑らかに処理され、触っても痛くないような仕上がりになっているでしょう。対して偽物のカルティエの場合は、こうした細かい部分の処理が少々乱雑です。
ビスのフチを触ると痛みを感じたり、線状のムラがでているような場合は、偽物を疑ってよいかもしれません。最近は『スーパーコピー品』と呼ばれる、一見よくできた偽物もたくさんあるので、細かい部分処理のチェックは念入りにおこなってください。
ダイヤモンドの質
カルティエのジュエリーに使用されるダイヤモンドは、比較的低いグレードものでも『VSクラス』、もしくはそれ以上のクラリティのものしか採用されません。
クラリティのVSクラスとは、10倍に拡大したルーペでやっと内包物が確認できるか否かというレベルのもので、非常に品質が高いものです。
ハイブランドのジュエリーは基本的に上質なダイヤモンドが使われるので、内包物が簡単に確認できるものは正規品ではない偽物である可能性が強くなります。
内側の刻印
偽物のカルティエかどうかを確認するには、ジュエリーの内側に刻印されているロゴにも注目です。
ジュエリーの内側にはカルティエのロゴが確認できますが、このロゴの刻印がきれいに入っていなかったり、レーザーなどで雑に刻印されていないか確かめてください。
ただし最近のよくできたコピー品には、刻印さえも精巧に処理された偽物が存在するのも事実です。この部分だけで偽物かどうかを決めるのは非常に困難であるともいわれていますので、他のチェックポイントとあわせて慎重に真贋判断をおこないましょう。
開閉部分の内側の状態
先にもお伝えした通り、カルティエのようなハイブランドのアイテムは、表面に見えない部分にも丁寧な処理が施されているのが特徴です。
たとえば、ブレスレットなどのジュエリーにある開閉部分の内側の状態を確認してください。偽物は角の部分処理が面取りされていなかったり、金属の塗りが甘く、ムラがでている場合があります。
一見分かりにくくても、面取りされていない金属の角に触れると、若干の痛みを感じるかもしれません。細かい部分ですが、偽物かどうかの判断に必要なチェックポイントですので、必ず確認してください。
偽物かどうかわからない時は
上記のチェックポイントを確かめても、手元にあるカルティエの時計やジュエリーが偽物なのかどうかわからないときもあるかもしれません。そのような時の解決策として、以下2つの方法が考えられます。
- 鑑定してもらう
- 買取査定をしてもらう
鑑定してもらう
カルティエに使用されている宝石は、グレードの高い上質なものが基本です。宝石の鑑定には鑑定料がかかりますが、鑑定書を出してくれるので、確実な方法のひとつと考えてよいでしょう。
たとえばダイヤモンドの鑑定には、以下のような機関が利用できます。
- GIA
- 株式会社中央宝石研究所
- AGTジェムラボラトリー
鑑定料の相場はダイヤモンドのサイズにもよりますが、およそ5,000円~10,000円程度に設定されています。機関によって料金体系は変わりますので、事前に確認してください。
買取査定をしてもらう
カルティエなどブランド品の真贋判断には、買取店で買取査定してもらう方法もあります。
買取査定では鑑定書は出ませんが、無料で依頼できるのがメリットです。また、査定依頼したからといって必ず売らなければいけないということではありません。
ブランド品を多く扱う買取店のプロの査定士は、本物のカルティエ製品を数多く見ているため、偽物を見破る知識も備えています。査定は無料ですので、複数の買取店に査定依頼を出し、偽物かどうかの確認をしてもらうのも手でしょう。
偽物を買わないために気をつけたいこと
カルティエなど人気ブランドのアイテムほど、偽物の流通量も多くなります。こちらでは、偽物を買わないために気をつけたい、以下4つのポイントを解説します。
- 直営店、もしくは正規代理店で買う
- フリマアプリでの買い物は注意
- 「セール」「値引き」「格安」は罠
- 「スーパーコピー」という言葉に惑わされない
直営店、もしくは正規代理店で買う
カルティエの直営店や正規代理店で時計やジュエリーを購入すれば、多少値は張るものの、確実に本物が手に入ります。
直営店や正規代理店を利用してブランドものを購入するメリットは、なんといってもアフターサービスが手厚いことでしょう。
アフターサービスで定期的にメンテナンスをおこないながらカルティエの時計やジュエリーを使い続けることは、長い目で見た場合にかなり得をすることにもつながります。
カルティエを購入する際には、直営店や正規店で得られる特典も含めて購入場所を検討するのをおすすめします。
フリマアプリでの買い物は注意
言わずと知れた「メルカリ」に楽天の「ラクマ」、ヤフーの「ペイペイフリマ」の3強に代表されるフリマアプリは、個人間売買が基本です。
手軽に時にはお得にブランド品が購入出来て、便利なのがフリマアプリの特徴です。しかし、なかには購入者をだまして偽物を高く売りつけようとする悪意を持った売り手もいるため、利用する際には十分に気をつけてください。
数が多いためにすべてに対応しきれていないのも現実ですが、上記のフリマアプリでは、市場が拡大するにつれて増えていく偽ブランド品の対応を各社で強化しています。
「セール」「値引き」「格安」は罠
カルティエのようなハイブランドの製品は、基本的に「値引き」して販売されたり、「格安」になることはほぼないと考えてよいでしょう。
ショップの広告にこのような表現が使われている場合は、怪しい店と疑ってもよいかもしれません。
偽物のカルティエを買わないようにするためには、購入する店選びを慎重におこなってください。不自然に安く売られているカルティエ製品は、海外の工場で違法につくられた偽物である可能性が高いため、購入は避けたほうが無難です。
「スーパーコピー 」という言葉に惑わされない
「スーパーコピー品」という言葉をご存じでしょうか。従来のブランド品の偽物は「バッタもの」とも呼ばれ、チープな作りで明らかに偽物とわかるものでした。
しかし最近はスーパーコピー品と呼ばれる偽物もあり、コピー品でありながら質の高いものも多く、品質別の等級まで存在します。
特に一番上の「N級品」にランク付けされるスーパーコピー品は、素材も上質なものを用い、細部まで忠実に模倣されている場合があります。
ただしこれらも偽物であることには変わりません。個人使用目的の購入で罰せられることはありませんが、基本的にコピー品の購入は違法にあたりますので、購入の際には十分に注意してください。
カルティエの偽物は数多くある
本記事では、コピー品の多いカルティエの偽物チェックポイントや、確実に偽物かどうか判断する方法をまとめて紹介しました。
また、知らずに偽物のカルティエ製品を買わないためにはどうすればいいのかについても解説しましたが、いかがでしたか。
他のブランドと比較してもカルティエの偽物の歴史は長く、市場にはコピー品が数多く存在するのが実情です。
偽物のブランド品購入は基本的に違法に当たりますので、カルティエ製品購入の際には十分に注意しましょう。